2025年10月15日水曜日

「臨床推論から学ぶ支援者の思考と地域連携」


令和7年10月11日(金)、宮城県ケアマネジャー協会仙台支部では、仙台市医療政策課・宮城県医療ソーシャルワーカー協会との合同研修を開催しました。

会場は東北福祉大学東口キャンパス。テーマは「臨床推論~三次救急病院から地域へ繋ぐ・紡ぐ~」でした。


講師には、同志社大学 社会学部社会福祉学科 教授の野村裕美先生をお迎えし、支援者が日々行っている“判断や意思決定”を改めて見つめ直す機会となりました。

先生からは、「臨床推論(Clinical Reasoning)」とは、目の前の状況で何が起きているのか、何を優先すべきかを考えながら行動する専門職の思考過程であり、そこには支援者自身の経験や感情も影響していることが示されました。

“感情を抑え込むのではなく、対処できるようになること”というメッセージが特に印象的でした。





続いて行われた事例発表では、三次救急病院・在宅診療所・訪問看護の3つの立場から、94歳男性を支える支援チームの実践が紹介されました。

「食べさせたい」「家で過ごさせたい」という家族の思いをどう受け止め、支援につなげていくか。

支援者がそれぞれの立場から、家族の行動の背景にある思いや信念を丁寧に理解し、現実的な支援策を共に考えていく姿勢が印象に残りました。

また、事例発表の各場面では、参加者が数分間のグループワークを行い、「自分ならどう感じ、どう対応するか」を話し合う時間が設けられました。

支援者としての感情や行動を言語化し共有するこの手法はとても新鮮で、互いの視点の違いから多くの気づきを得られる有意義な時間となりました。

参加者からは「支援者自身の思考や感情を振り返る大切さを実感した」「他職種の視点に触れることで考えが深まった」などの感想が寄せられました。


今回の研修は、理論だけでなく実践を通して「支援者の思考と感情に向き合う大切さ」を実感できる学びの時間となりました。

仙台支部では、今後も現場に根差した研修を通じて、地域で支え合う専門職のネットワークづくりを進めてまいります。

「臨床推論から学ぶ支援者の思考と地域連携」 令和7年10月11日(金)、宮城県ケアマネジャー協会仙台支部では、仙台市医療政策課・宮城県医療ソーシャルワーカー協会との合同研修を開催しました。 会場は東北福祉大学東口キャンパス。テーマは「臨床推論~三次救急病院から地域へ繋ぐ・紡ぐ~」...